エアコンの内部で回転して風を送る「シロッコファン」は、汚れが溜まりやすく臭いやカビの原因になりやすい場所です。この記事では、エアコンの回るところの名称と役割をわかりやすく解説し、自分で安全に掃除するための手順と注意点を紹介します。業者に依頼すべきタイミングもあわせて解説するので、清潔で快適な空気を保ちたい人はぜひ参考にしてください。
エアコンの回るところ(シロッコファン)の名称と役割は?
エアコンの内部で回転して風を送り出している部分は「シロッコファン」と呼ばれます。一般的にエアコンの吹き出し口の奥に隠れているため、普段は目にする機会が少ないですが、空気を部屋中に循環させるうえで欠かせない重要な部品です。円筒状の羽根が高速で回転し、取り込んだ空気を押し出すことで効率的に冷暖気を広げる働きをしています。
このシロッコファンの仕組みは、送風機や換気扇にも採用されている技術で、限られた空間でも大きな風量を生み出すことができます。ファンの羽根は外周方向に配置され、回転によって空気を遠心力で押し出す構造になっています。そのため、室内の隅々まで均一に風を届けることが可能です。住宅だけでなくオフィスや店舗の業務用エアコンでも、この構造が広く使われています。
ただし、このシロッコファンは構造上、湿気やホコリが溜まりやすいという欠点があります。冷房時は内部が結露しやすく、空気中の汚れが水分と一緒に付着します。さらに、キッチンが近い部屋では油分が混ざり、汚れが固着して掃除が難しくなります。放置するとカビや臭いの原因になるため、定期的な清掃が欠かせません。
シロッコファンが空気を送り出す仕組み
シロッコファンは多数の羽根を持つ円筒状のローターがモーターによって回転し、吸い込んだ空気を遠心力で前方に押し出す仕組みです。このとき発生する風は均一で、静かに広範囲へと広がります。コンパクトな形状でも大風量を生み出せるため、限られたスペースの室内機でも高い性能を発揮します。
また、ファンの形状には「多翼ファン」と呼ばれる特徴があり、羽根が細かく並ぶことで気流が安定します。これにより、送風時の風切り音を抑え、快適な室内環境を実現します。設計の工夫によって、風の流れを直線的に整えることで冷暖房効率も高めています。
この精密な構造が、エアコン全体の性能を支える要です。そのため、羽根に汚れが付着するとわずかなバランスの乱れでも振動や異音を引き起こすことがあります。回転部分を清潔に保つことが、静音性と効率の維持に直結します。
汚れが溜まりやすい理由
エアコンのシロッコファンは、内部で湿気を帯びた空気を扱うため、汚れが蓄積しやすい構造です。冷房時には熱交換器で発生した水分が周囲に付着し、空気中のホコリや花粉、カビの胞子などがその水分に引き寄せられてファン表面に残ります。これが乾燥と湿潤を繰り返すことで、こびりついた黒い汚れへと変化します。
さらに、キッチンが近いリビングやダイニングでは、調理時の油分を含む微粒子が空気中に漂い、それがファンの湿気に吸着して頑固な汚れになります。油汚れは洗剤でも落ちにくく、臭いの原因にもなります。汚れを放置すると送風性能が落ち、ファンモーターに負担がかかるため、早めの対処が大切です。
定期的にエアコンのフィルターや吹き出し口を清掃し、空気の通り道を清潔に保つことが、シロッコファンの汚れを予防する最も効果的な方法です。清掃を怠ると、風量の低下やカビ臭が発生し、健康面にも影響が及ぶため注意が必要です。
エアコンの回るところ(シロッコファン)を掃除しないとどうなる?
エアコンの回るところであるシロッコファンを掃除しないまま使い続けると、臭いやカビの発生、電気代の上昇、機械トラブルなどさまざまな問題が起こります。普段は見えない部分ですが、ファンの汚れは送風の質と効率に直結しており、快適さや健康にも影響します。特に長年掃除をしていないエアコンは、目には見えない汚れや菌が蓄積していることが多く、早めの対策が大切です。
汚れが進行すると、エアコンの内部で湿気とホコリが混ざり合い、カビ菌が繁殖します。カビの胞子が風とともに部屋に拡散されることで、独特の臭いが発生し、鼻水やくしゃみ、喉の痛みといった症状を引き起こすこともあります。また、アレルギー体質の人や小さな子ども、高齢者がいる家庭では、こうした影響がより深刻になりやすい傾向があります。
さらに、ファンの羽根に汚れがこびりつくことで風の通り道が狭まり、送風効率が大きく低下します。冷暖房が効きにくくなり、設定温度に達するまでの時間が延びるため、電気代が無駄にかかってしまいます。掃除を怠るだけで、1シーズンあたりの電気代が数千円単位で増えるケースも珍しくありません。
臭い・カビで室内環境が悪化する
エアコンの臭いの原因は、ほとんどがこのシロッコファンに付着したカビや雑菌です。ファンが回転するたびにカビの胞子や雑菌が空気中に飛び散り、部屋全体に広がります。この臭いは空気清浄機でも完全に除去するのが難しく、根本的な解決にはファン自体の清掃が必要です。
とくに湿度が高い季節や梅雨時期は、ファン内の結露が増えてカビが一気に繁殖します。放置するとカビの層が厚くなり、黒い汚れが吹き出し口から見えるようになることもあります。こうなると臭いの除去だけでなく、健康への影響も無視できません。
エアコンを清潔に保つことは、快適な室温を保つだけでなく、空気の質を守ることにもつながります。とくにアレルギーや喘息を持つ人にとって、定期的な掃除は予防策のひとつとして非常に重要です。
送風効率が下がり電気代が上がる
ファンの羽根にホコリや油分が付着すると、空気の流れが乱れてスムーズに風を送り出せなくなります。その結果、冷房や暖房の効きが悪くなり、設定温度に達しにくくなります。エアコンは温度を保つために長時間稼働するようになり、結果として電気代が上昇します。
また、送風のバランスが悪くなることで、部屋の温度にムラができやすくなります。風の当たる場所は寒すぎたり、逆に離れた場所はなかなか暖まらなかったりと、快適な空間が保てません。掃除をするだけで風量が戻り、消費電力を抑えながら冷暖房効率を取り戻せます。
メーカーの実験では、シロッコファンの清掃後に消費電力が10〜20%改善したという結果もあります。家庭での節電対策としても、内部の汚れを落とすことは効果的です。
異音・振動の原因になる
シロッコファンの汚れを放置すると、回転のバランスが崩れて「ブーン」「カタカタ」といった異音が発生します。羽根の一部にだけ汚れが偏ると、遠心力の働きが不均等になり、モーター軸やベアリング部分に過剰な負担がかかります。これを放置すると、部品の摩耗や軸受けの破損につながるおそれがあります。
初期段階では軽い振動音でも、汚れがさらに蓄積すると音が大きくなり、最終的には動作不良や停止の原因になる場合もあります。特に夜間など静かな環境では、この異音が気になるケースが多いです。音が気になり始めたら、ファン内部の汚れを疑ってみましょう。
このように、シロッコファンの掃除を怠ると、快適さを損なうだけでなく、故障リスクや電気代の無駄も増えます。定期的に清掃を行うことで、長期的に見てもコスト削減と快適な空気環境の維持につながります。
エアコンの回るところ(シロッコファン)を掃除するメリット
エアコンのシロッコファンを定期的に掃除すると、空気の清潔さが大きく変わります。ファンは室内の空気を直接送り出す部分のため、ここに付着したホコリやカビを取り除くだけで、空気の臭いが軽減され、部屋全体の空気環境が一気に改善します。また、汚れによって低下していた風量が回復し、冷暖房の効きも良くなります。これにより、快適性と節電効果の両方を実感できるようになります。
シロッコファンを掃除した後は、エアコンの動作音が静かになり、空気の流れがスムーズになります。風の出方が均一になるため、冷暖房のムラも減少します。とくに長く使っているエアコンでは、清掃後の風量の変化を体感しやすく、まるで新しいエアコンに買い替えたかのような快適さを得られることもあります。定期的な清掃は機器寿命の延長にもつながるため、コストパフォーマンスの面でも非常に有効です。
さらに、清掃後はエアコン内部の湿気がこもりにくくなるため、カビの再発防止にも効果的です。衛生面、快適性、経済性のすべてに良い影響を与えるため、年に1〜2回の内部清掃を習慣化するのが理想です。
空気がクリーンになり家族が安心できる
シロッコファンの掃除を行う最大のメリットは、空気が清潔に保たれることです。ファンの羽根にはカビやホコリ、花粉、ハウスダストなどが付着しており、これらが風に乗って部屋中に拡散してしまいます。清掃によってこれらの汚れを除去することで、アレルギーやぜんそくの原因物質を減らし、室内の空気環境を大きく改善することができます。
特に小さな子どもや高齢者のいる家庭では、空気の質が健康に直結します。汚れたエアコンを使い続けると、免疫力の弱い人ほど咳やくしゃみ、倦怠感などを起こしやすくなります。清掃後は空気が澄んで臭いも減り、呼吸がしやすくなったと感じる方も多いです。清潔な空気を保つことは、家族の健康を守るうえでの基本といえるでしょう。
また、室内の埃が減ることで掃除の手間も減り、空気清浄機のフィルターも汚れにくくなります。エアコン清掃は「部屋全体の清潔度」を底上げする効果があるのです。
体感温度と省エネ性が改善する
シロッコファンを掃除することで、エアコン本来の風量が回復します。羽根に汚れが付着すると気流が乱れ、設定温度どおりに効かない状態が生まれますが、清掃後は空気の流れがスムーズになり、少ない運転時間で部屋全体を快適な温度に保てるようになります。その結果、体感温度が上がり、設定温度を下げすぎずに済むようになります。
これは省エネにも直結します。風量が上がることで冷暖房効率が上がり、エアコンの稼働時間が短縮されます。たとえば、同じ室温を保つために以前より短時間の運転で済むため、電気代を10〜20%削減できるケースもあります。特に夏場や冬場など、エアコンの稼働時間が長い季節には大きな違いが出ます。
清掃によってモーターの負荷が軽減されるため、部品の寿命が延びる効果もあります。結果的に、修理や買い替えのタイミングを遅らせることができるため、長期的に見ても経済的なメリットが大きいといえます。快適さと節電の両立を目指すなら、ファンの清掃は欠かせないメンテナンスです。
エアコンの回るところ(シロッコファン)は自分で掃除できる?
エアコンのシロッコファンは、吹き出し口の奥で回転している円筒状の羽根のことを指します。掃除をしたいと思っても、内部にあるため「自分で掃除して大丈夫なのか」と不安に感じる人も多いでしょう。結論から言うと、吹き出し口から手が届く範囲であれば自分で掃除が可能です。ただし、分解が必要なレベルや電装部に近い部分は、無理をせず専門業者に依頼することが安全です。
エアコンは精密機器であり、内部にはモーターや基板などの電装部品が組み込まれています。これらに水や洗剤がかかると故障の原因になるため、作業範囲の見極めがとても重要です。自分で掃除する場合は、無理に奥まで道具を差し込んだり、ファンを強く押したりしないように注意しましょう。
一方で、掃除をしないまま放置すると、臭いや風量の低下、カビの繁殖などが進行します。安全な範囲で定期的にお手入れすることで、快適な空気環境を維持することができます。
自分でできる範囲の見極め方
自分で掃除できる範囲を見極めるには、まず「吹き出し口から羽根が見えるか」を確認することが第一歩です。送風口からファンの羽根がはっきりと見えるタイプであれば、専用ブラシや柔らかい布を使って届く範囲の汚れを拭き取ることができます。家庭用エアコンでは、一般的にこの範囲の清掃で十分に効果を感じられます。
作業前には必ず電源プラグを抜き、感電防止の準備をしてから行いましょう。また、ブラシや布を使う際には、羽根の方向に沿って優しく動かすことが大切です。力を入れすぎると羽根が歪んでしまい、運転時の振動や異音の原因になります。奥まで手を伸ばそうとせず、無理のない範囲で清掃するのが基本です。
基板や配線が見える部分、あるいはファンカバーの取り外しが必要になる構造のものは、自分で手を出さないようにしましょう。こうした作業は分解や再組立ての知識が必要で、誤って部品を損傷させるリスクがあります。
業者依頼に切り替えるサイン
自分で掃除しても臭いが取れない、黒い汚れが厚くこびりついている、または運転中に「カタカタ」「ゴー」という異音がする場合は、業者に依頼するサインです。これらの症状は、ファン内部や熱交換器などの奥に汚れが蓄積している可能性が高く、自宅での掃除では対応が難しいレベルです。
また、天井埋め込み型や大型の業務用エアコン、高所に設置されたタイプは、構造的にも安全的にも自力での清掃は推奨されません。プロの業者は専用機材を使って分解洗浄を行い、ファンの内部まで高圧洗浄するため、見違えるほどの効果を実感できます。特に、2年以上掃除をしていない場合やエアコンの使用頻度が高い家庭では、年に1回の専門清掃を検討すると良いでしょう。
無理に自分で分解してしまうと、故障や保証の対象外になるケースもあります。自分の作業範囲をしっかりと見極め、必要に応じて専門家に任せることが、結果的にエアコンを長持ちさせる最良の方法です。
エアコンの回るところ(シロッコファン)掃除の準備と道具
シロッコファンの掃除を始める前に、まずは安全で効率的に作業するための準備を整えましょう。エアコンの内部は電気部品や精密パーツが多く、水や洗剤の使い方を誤ると故障につながることがあります。そのため、電源を切り、作業場所をしっかり養生してからスタートすることが大切です。また、掃除をスムーズに進めるためには、必要な道具を事前に揃えておくこともポイントです。
準備段階での丁寧さが、作業中のトラブル防止と仕上がりの良さを左右します。養生を怠ると、飛び散った汚れが壁や床を汚してしまうこともあります。エアコンの下に新聞紙やビニールシートを敷くだけでなく、吹き出し口周辺の壁や家具も保護するようにしましょう。さらに、掃除中にホコリや洗剤が目に入るのを防ぐため、保護具の着用も忘れずに行うことが重要です。
清掃に使用する道具は、家庭にあるもので十分揃えられますが、専用のブラシや柔らかい布を使うことで効率が上がり、ファンを傷つけるリスクを減らせます。次に、実際に必要な道具と安全確認のポイントを見ていきましょう。
用意する道具と保護具
エアコンのシロッコファン掃除に必要な基本的な道具は、次の通りです。どれもホームセンターや100円ショップで手軽に揃えられます。
- 養生シート(またはビニールシート)
- マスキングテープ
- 先細ブラシ(歯ブラシでも可)
- やわらかい布(マイクロファイバーなど)
- 弱アルカリ性の家庭用洗剤(中性でも可)
- ゴム手袋
- 保護メガネ
養生シートとマスキングテープは、壁や床、周囲の家具を汚れから守るために使用します。ブラシは羽根の隙間に入りやすい細いタイプを選び、汚れをやさしくかき出します。布は乾拭きと水拭きの両方に使えるように、2〜3枚準備しておくと便利です。洗剤は強すぎるものを使うと塗装面を傷める恐れがあるため、弱アルカリ性または中性タイプを選びましょう。
さらに、掃除中はホコリやカビの胞子が舞いやすいため、保護メガネと手袋を着用することで安全性が高まります。手荒れや目の刺激を防ぎながら、安心して作業を進められます。
作業前の安全チェック
掃除を始める前に、いくつかの安全確認を行うことが重要です。まず最初に、エアコンの電源プラグを必ず抜いてください。リモコンで停止していても内部には電気が通っていることがあるため、コンセントを抜くことが安全対策の基本です。運転直後は内部が湿っていることが多いので、1時間ほど経ってから作業を始めると安心です。
次に、脚立を使用する場合は、平らな床にしっかりと設置して安定を確認します。滑りやすい場所ではマットなどを敷いて転倒を防ぎましょう。また、作業中に脚立の上から体を大きく傾けるとバランスを崩しやすいため、届かない範囲は無理せず別の位置から作業します。
周囲の家具やカーテンは、ホコリや洗剤の飛び散りを防ぐためにカバーをかけておくのがおすすめです。特に、テレビやパソコンなど精密機器の近くで作業する際は、ビニールシートを使って完全に覆うようにしてください。安全面と作業効率の両方を考慮することで、安心して清掃に取り組むことができます。
エアコンの回るところの掃除方法を手順で解説
エアコンの回るところであるシロッコファンは、分解せずに届く範囲を丁寧にケアするだけでも効果が出ます。作業は「ホコリを浮かせる→洗剤で拭く→完全乾燥」の順で進めると、臭い戻りや故障リスクを抑えながら確実にきれいにできます。無理な力をかけないことと、乾燥を徹底することが成功のポイントです。
- 表面のホコリをやさしくかき出す
- 洗剤を含ませた布で拭き洗いする
- 水拭き→乾拭き→送風乾燥で仕上げる
Step1:表面のホコリをやさしくかき出す
先細ブラシを使い、羽根の向きに沿って軽いストロークでホコリを浮かせます。落下する粉塵は事前に敷いた養生シートで受け、こまめに回収して舞い上がりを防ぎます。羽根の根元は汚れが溜まりやすいため、押し込まず「なでる」感覚で往復します。
- ブラシは乾いた状態で使用する
- 羽根の回転方向に合わせて動かす
- 強い力で押さえつけない
この段階の目的は、次工程の拭き取りで洗剤が行き渡りやすい状態にすることです。固着汚れは一気に取ろうとせず、時間をかけて少しずつほぐします。羽根を変形させると振動や異音の原因になるため、負荷をかけない操作を徹底します。
Step2:洗剤を含ませた布で拭き洗いする
薄めた家庭用洗剤を布に含ませ、液だれしない程度にしっかり絞ってから羽根の内外を拭きます。電装部や基板側に液が回り込まないよう、吹き出し口側から届く範囲に限定して作業します。油分を含むベタつきは、数十秒置いてから再拭きすると落ちやすくなります。
- 洗剤は弱アルカリ性または中性を使用する
- スプレーは布に吹き、直接噴霧は避ける
- 同じ面でこすらず、清潔な面に折り返して使う
羽根の角や端面は汚れが残りやすいので、布の角を使って丁寧に当てます。拭き取り面が黒く汚れたらすぐに新しい面へ切り替え、再付着を防ぎます。作業中に湿りが強くなったら、いったん乾拭きで水分を抜いてから再開します。
Step3:水拭き→乾拭き→送風乾燥で仕上げる
洗剤成分を残さないよう、清潔な布で水拭きを行い、その後すぐに乾拭きで水分を徹底的に除去します。羽根の根元やハブ周辺は水が溜まりやすいため、布の角でこまめに吸い取ります。仕上げに送風運転を10〜30分ほど行い、内部を完全に乾燥させて臭い戻りとカビ再発を防止します。
- 水拭きの布はよく絞り、滴らせない
- 乾拭きは複数枚を使って確実に行う
- 送風乾燥は暖房ではなく送風設定で実施する
乾燥が不十分だと、残留水分にホコリが付着して汚れが逆戻りします。作業直後に冷房を使う場合も、いったん送風で内部を乾かしてから通常運転に切り替えましょう。ここまでの流れを年に1〜2回ルーチン化すると、臭いと効率低下を長期的に抑えられます。
エアコンの回るところ(シロッコファン)掃除で失敗しない注意点
シロッコファンは精密な回転体で、わずかな変形や水分の侵入でも振動・異音・故障につながります。掃除の基本は「最小の湿り」「一定方向のやさしい操作」「完全乾燥」の三点を守ることです。水を直接かけたり、羽根を逆方向に強く押す行為は厳禁と覚えておきましょう。
もう一つの重要点は、作業中に起こりがちな「液だれ」と「過湿」をどう防ぐかです。洗剤や水分が基板側へ回り込むと、腐食やショートのリスクが一気に高まります。作業の途中でも乾拭きと送風でこまめに水分を抜く意識が、安全性と仕上がりを左右します。
液垂れと過湿に注意する
スプレー剤は吹き出し口へ直接噴霧せず、必ず布に移してから使用します。布はよく絞り、滴りが出ない「しっとり」程度にとどめ、拭き上げは常に下から上ではなく上から下へ進めて液走りを抑えます。滴りそうだと感じたら作業を止め、すぐに乾拭きと送風で水分を除去してください。
作業中は養生のポケット部に液が溜まっていないかも定期的に確認します。羽根の根元やハブまわりは水が残りやすいので、布の角を当てて吸い取るイメージで丁寧に処理します。仕上げは送風運転で10〜30分乾かし、臭い戻りや再汚染を防ぎましょう。
羽根のバランスを崩さない
固着汚れは力任せに削るのではなく、洗剤を馴染ませ「時間を置いてから軽く拭く」を繰り返します。羽根の向きに沿って一定方向へなでる操作を守り、逆方向に押し戻す行為は避けてください。局所的に強い力をかけると、羽根がわずかに歪み、運転時のビビり音やモーター負荷増大の原因になります。
拭き取り面は汚れたらすぐ清潔な面に切り替え、汚れの再付着で重量バランスが偏らないように管理します。清掃後に振動や異音が増した場合は、使用を止めて専門業者に点検を依頼するのが安全です。無理を重ねると軸受やベアリングの寿命を縮め、結果的に修理費が高くつきます。
業者に依頼する場合の料金相場と選び方
エアコンのシロッコファンを徹底的に掃除したい場合や、自分での清掃に限界を感じた場合は、専門業者に依頼するのが安心です。内部洗浄では分解作業と高圧洗浄を行うため、自宅での手作業では落としきれない奥の汚れまできれいにできます。費用はエアコンのタイプやオプション内容によって異なり、一般的な壁掛け型では1台あたりの相場が決まっています。
また、依頼時は単に価格だけでなく、作業内容や保証の有無、使用する洗浄剤の安全性などを比較することも大切です。業者によっては、防カビコートやドレンパン清掃、室外機のメンテナンスなどをセットにしたプランを提供しており、追加費用が発生する場合もあります。以下で料金の目安と依頼の判断基準、信頼できる業者を見極めるポイントを詳しく解説します。
依頼の目安と作業範囲
業者に依頼する目安は「臭いが取れない」「風量が弱い」「異音がする」といった症状が出たときです。これらは内部のファンや熱交換器が汚れているサインであり、家庭での清掃では届かない部分にカビやホコリが蓄積しています。また、年に1回の定期清掃を習慣化することで、故障を未然に防ぎ、冷暖房効率を長期間維持できます。
作業範囲は、エアコンの分解から始まり、熱交換器・シロッコファン・ドレンパン・吹き出し口の高圧洗浄までを含みます。専門業者は専用の洗浄機材を使って部品の奥まで洗い流すため、短時間で高い効果を得ることができます。作業時間の目安は1〜2時間ほどで、仕上げに防カビ処理を行うプランを選べば清潔さが長持ちします。
以下は一般的な家庭用エアコンの内部洗浄にかかる料金の目安です。
エアコンの種類 | 基本料金の目安 | 作業内容の特徴 |
---|---|---|
壁掛けタイプ(通常) | 9,000〜13,000円前後 | 本体分解・ファン高圧洗浄・防カビ仕上げ(オプション可) |
お掃除機能付きタイプ | 15,000〜22,000円前後 | 構造が複雑なため分解・再組立てに時間がかかる |
天井埋込型(業務用) | 25,000〜40,000円前後 | 複数人作業・高圧洗浄・ドレンポンプ清掃などを含む |
料金は地域やシーズンによっても変動しますが、夏前や冬前の繁忙期は予約が集中しやすいため、春や秋のオフシーズンに依頼するとスムーズに作業してもらえます。
信頼できる業者選びのポイント
業者を選ぶ際は「価格の安さ」だけで判断せず、作業品質と安全性を重視することが重要です。信頼できる業者は、作業前後に内部の状態を写真で提示し、どの部分をどのように洗浄したかを明確に説明してくれます。見積もり時に「追加料金の有無」「補償範囲」「使用する洗剤の種類」などを事前に確認しておくと安心です。
口コミを確認する際は、単なる星評価ではなく、作業手際・説明の丁寧さ・対応スピードといった具体的なコメントに注目しましょう。特に、養生の丁寧さや後片付けの清潔さは、その業者のプロ意識を測る重要なポイントです。万が一のトラブルに備え、損害保険に加入しているかどうかも確認しておくと安心です。
エアコン清掃は専門知識と専用機材を要する作業です。信頼できるプロに依頼することで、内部の汚れを徹底的に除去できるだけでなく、長期的に見れば機器寿命の延長や電気代の節約にもつながります。年に1回のメンテナンスをプロに任せることで、常に快適で安心な空気環境を維持できます。